花田少年史 幽霊と秘密のトンネル

9才の花田一路は、タクシー運転手の父･大路郎と、明るくたくましい母･寿枝、中学生の姉･徳子、そして祖父･徳次郎の5人で暮らしている。ある日、一路は自転車に乗っていてトラックと衝突。天国に向おうとする途中で、謎の女子高生幽霊･聖子に助けられる。その時から、一路は幽霊が見えるという不思議な能力を持つことになった。そんな一路の前に、急死したタバコ屋の吉川の婆ちゃんが現れた。愛犬ジロの事が気がかりで、一路に面倒を見て欲しいと頼むのだった。次に現れた幽霊は、キザなスーツ男の沢井。彼は一路に突然、「君は僕の息子だ」という。沢井は母･寿枝の恋人だったのだろうか？また、友人の壮太の父親と一路の父親が漁に出て、嵐に遭い、一路の父･大路郎は壮太の父を見捨てて一人生還したという噂を聞いた。そして、沢井も「僕もあの男に殺されたんだ」とささやき、一路は混乱する。一方、壮太は母･美代子が同級生の桂の父親と再婚する話しに悩む。亡くなった父親は悲しむのではないか。美代子は、再婚で壮太が悲しむのではないかと思っていた。それを知った壮太の父･猛は一路の体を借りて、再婚して幸せになって欲しいと告げるのだった。一路の悩み、大路郎は本当の父親なのか? と、嵐で人を見捨てて逃げ帰っのか? 悩む一路に、吉川婆ちゃんの幽霊は、不思議な力で、一路をタイムスリップさせ、父と母の若い頃へと導くのだった。